男鹿は目の前に広がる日本海の絶景や伝統行事「ナマハゲ」など秋田を代表する風光明媚な観光スポットである。また日本海に突き出した半島のため、南と北から魚が回遊してくることから、魚介類の宝庫でもある。今回、数ある中から、クロモと真鯛の地元ならではの料理を味わった『ラズウェル細木の秋田旅行記』3日目の最終日。「美味の半島」男鹿を心ゆくまで堪能していただいた様子を紹介しよう。
■1日わずか15分間に懸ける漁師達の熱き魂
まずは7、8月に最盛期を迎えるクロモ漁を取材するために、ハタハタの大漁場で知られる「北浦漁港」に向かった。
「クロモ」とはこの地域独特の呼び名で、正式の名称はイシモズクである。男鹿のクロモは他のモズクと比べて太く、シャキッとした歯ごたえの良さと粘りの強さ、独特の香りが特徴だ。酢のもので食べる旬のクロモは酒の肴やご飯のおかずによく合う男鹿の夏の味覚である。

漫画『酒のほそ道』での男鹿のクロモの描写。(※「酒のほそ道」第747話秋田 出 張・男鹿のクロモとタイより)
これが男鹿のクロモ。さっと湯がくと鮮やかな緑色に。
クロモ漁は素潜りで海底の岩に生えているクロモを何度も潜水を繰り返して獲る、とても体力と技術が必要とされる漁である。クロモの資源保護のため漁は1日に15分と時間制限が設けられている。

漫画『酒のほそ道』でのクロモ漁の道具見学の描写。(※「酒のほそ道」第747話秋田出張・男鹿のクロモとタイより)

この道具で岩に生えているクロモを刈り取るようにして獲る。

重さ約10kgほどのウエイトを腰に巻き、海底へと潜る。
クロモ漁は漁船の一斉スタートで始まる。出漁直前になると、漁港の船だまりで漁師達は思い思いの位置に陣取りスタートの合図を待つ。「今か、今か・・・。」と見学している取材班の緊張が高まる中、リーダーがサッと旗を上げた。この合図とともに約50隻の漁船が一斉に我先と漁場へと向かう様子は、ボートレースのような圧倒的な迫力を持つ。
漁場に着いた漁師は狙いの場所にアンカーを降ろし、クロモを入れる箱を海面に浮かべ、海底へと潜る。次の漁に向け、日頃潜りながらクロモの成長具合を見定め、好漁場の目星を付けているそうだ。海から見た山の位置などを目印に、漁師達は間違うことなく、狙った漁場へと辿りつくことができるのである。
時間との戦いや他の漁師達との漁場争いがあるクロモ漁は、真夏に繰り広げられる真剣勝負。男鹿のクロモはそんな漁師達の熱い魂まで味わいたい。

漫画『酒のほそ道』でのクロモ漁出発の描写。(※「酒のほそ道」第747話秋田出張・男鹿のクロモとタイより)
エンジン全開、フルスロットルの漁船は、あっという間に漁場へ・・・。
正午を知らせるサイレンが鳴りわたると漁はおしまい。港では浜の母さん達が帰りを待っており、獲れたてのクロモを海水で洗うのが仕事だ。さらに荷捌き所に運んで、海水殺菌装置を用いて洗浄し、脱水機にかけた後、3~4kgが入る木箱へと箱詰めされ、入札の時を待つ。
市場にはアマダイやヒラメ、クロマグロなどが水揚げされていて、中でも真鯛の量と大きさに先生も驚いた様子であった。実は男鹿半島沿岸は天然真鯛の最北の産卵場であり、全国有数の漁場なのである。

漫画『酒のほそ道』での男鹿の真鯛の描写。(※「酒のほそ道」第747話秋田出張・男鹿のクロモとタイより)
堂々とした男鹿の真鯛。70cm以上の大物もたくさん水揚げされる。
■男鹿名物!天然真鯛の石焼き料理に心酔
漁を見学し、美味しそうな魚介類を目の前にして、お腹が鳴り始めた頃、ちょうど昼食タイムが訪れた。石焼料理の名店「美野幸」で天然真鯛の石焼き料理をいただくことに。前菜はクロモの酢のもの、とろとろワカメ、鯛のわたの塩辛の3種類。
乾杯は斎彌酒造の「雪の茅舎 秘伝山廃 純米吟醸」。昔ながらの山廃仕込みにより華やかで濃厚な香りときめ細かな味、軟らかな酸味が特徴だ。
クロモ漁を目の当たりにした後の味は格別で、シャキシャキとした歯ごたえや粘りを充分に実感できた。「こんなに美味しいクロモですから、お好み焼きやチヂミにクロモを使ったり、冷や奴の上にのせたり、旨い食べ方はたくさんあると思いますねぇ。」とクロモの新メニューのアイデアが先生から飛び出した。
そして鯛のわたの塩辛もすこぶる旨い。塩分は控えめ、かつ上品で、鯛ならではの味わいがある。ちょいとつまんでぐいっと酒を含むと、わたの深い旨みと「雪の茅舎 秘伝山廃 純米吟醸」の繊細な味が、お互いを引き立たせ、えもいわれぬ美味さが口いっぱいに広がる。この抜群の美味さに酒は「カパーっ、カパーっ」とぐいぐい進んでいく。わたを食べると酒が欲しくなる、酒を飲むとわたが欲しくなるという、美味しい連鎖に見事にハマってしまったのであった。

左からクロモの酢のもの、鯛のわたの塩辛、とろとろワカメの3種類の前菜。
そうこうしているうちに、天然真鯛の石焼き料理が「ドドーンっ」とダイナミックに登場。もうもうと湯気を上げ運ばれてきたお膳に「おぉっ!!」と一様に歓声があがり、まずは見た目の豪快さに驚かされる。湯気がおさまった後、ほぐした鯛の身を口に運ぶとその美味しさにさらに驚かされる。引き締まった身は食べごたえ抜群で、甘みと磯の香りが口に広がる。さらに美野幸ならではのシンプルでさっぱりとした塩の味付けが、真鯛が持つ旨みのすべてを引き出している。また、わさびをつけると味がしまり、ひと味違う美味さを楽しめる。

漫画『酒のほそ道』での真鯛の石焼き料理の描写。(※「酒のほそ道」第747話秋田出張・男鹿のクロモとタイより)

ぐつぐつと煮立つ桶に食欲はふつふつとわいてくる。石焼きは見た目も味も楽しめる。

熱した石を入れることで急激に加熱され、旨みが瞬時に閉じ込められる。これぞ漁師の料理だ。
真鯛のあまりの美味さに先生は思わず「美味いっ!!この石焼きの味をみやげ話にしたら、友達から怒られてしまいそうです。恨まれてしまうかも!?それ位、美味いっ!!(o⌒∇⌒o)」と大絶賛。
また男鹿の真鯛をもっとアピールするべきだとして、「男鹿には全国的に有名な、ナマハゲがありますから、鬼のように美味い鯛で『鬼ウマ鯛』や『ナマハゲ鯛』なんてネーミングもイイかもしれませんねぇ。(o^-^o)」と先生。

美野幸の天然真鯛の石焼き料理。ウニたっぷりの鯛めしは今回の特別に用意していただいた。
美野幸の大将の勧めで白いご飯が運ばれてきて、天然真鯛の石焼き料理のラストを飾るのが、鯛の旨みがたっぷりと出た石焼きの汁でいただく「鯛茶漬け」。こんな贅沢で美味い茶漬けにはなかなかお目にかかれないというほどの逸品だ。

締めの鯛茶漬けは何杯でもおかわりをしたくなるほどの絶品だ。
■神の使者、男鹿のナマハゲ
「泣ぐ子はいねがーっ!」と大晦日の晩に、家々を回る伝統行事「男鹿のナマハゲ」。全国各地にも似ている習俗が見られるが、男鹿のナマハゲは山の神々の使者だと信じられている。厄災をはらい、豊作・豊漁などをもたらす存在として各家で丁重にもてなされる。神の使者、男鹿のナマハゲを知るために男鹿真山伝承館、真山神社、なまはげ館を訪れた。

漫画『酒のほそ道』での男鹿真山伝承館の描写。(※「酒のほそ道」第747話秋田出張・男鹿のクロモとタイより)
ナマハゲの語源は「ナモミ剥(は)ぎ」という言葉がなまったものとされている。寒いといって、いろりにあたってばかりいると手足が低温火傷になることがある。火傷で赤くなった状態を「ナモミ」と呼ぶ。「ナモミ」ができるのは怠け者の証拠で、ナモミを剥ぎ取り、怠け者を懲らしめるのがナマハゲなのである。
男鹿真山伝承館では、大晦日にやり取りされる「ナマハゲ問答」を見学でき、ナマハゲ行事を体験することができる。
「ウォー!泣ぐ子はいねがーっ!怠け者いねがーっ!」と家を訪れるナマハゲを家主は丁重にもてなす。ナマハゲはまず家主に稲作の出来を聞き、新年も豊作となるように祈っておくと約束する。
その後、子供達が真面目に勉強しているかを尋ねる。家主は真面目にしていると答えるが、ナマハゲはそれを「ナマハゲの帳面」で確かめる。帳面によって子供達がテレビばかり見て勉強もせず、手伝いをしていないことが分かると、「ウォー!、ウォー!」と大きな声や足音で子供達を家中探し回る。
ナマハゲに見つかった子供達は泣きじゃくりながら、早起きをする、家の手伝いをする、真面目に勉強に励むなど新しい年に向けた目標をナマハゲと約束する。
このようにナマハゲは、訪れた家の住人が1年間を無事で健康に過ごせるように、怠惰をいましめているのである。

子供の手を引っ張り「真面目に勉強してるがーっ!」と一喝。

「酒飲んでばかりいるなよーっ!!」大人にだってナマハゲは容赦しない。

漫画『酒のほそ道』でのなまはげによるいましめの描写。(※「酒のほそ道」第747話秋田出張・男鹿のクロモとタイより)
この旅の記念に先生が選んだおみやげを紹介しよう。おみやげ選びに向かった先は「あきた県産品プラザ(秋田県物産振興会)」だ。食・酒・工芸品といった秋田のおみやげを一堂に取り揃えたお店で、直営店の「秋田ふるさと館」が東京有楽町にあり、秋田県内の名産品を買い求めることができる。
先生の心を鷲掴みにしたのが、栗久(大館市)の曲げわっぱ2段弁当箱(小判入・小)。始めは12,600円という金額にしり込みするも、その美しさについに購入を決断、その後自宅で「冷蔵庫の残り物かき集めわっぱ弁当!」を作っている。

「欲しいなぁ。でも値段がなぁ。でも美しい、あぁ。」とひとしきり葛藤する先生。
漫画『Oh!弁当』での「冷蔵庫の残り物かき集めわっぱ弁当」の紹介。美しい白木仕上げで美味しさがさらに引き立つ。(※「Oh!弁当」第7話秋田弁当物語より)
こうしてすべての日程を終え、秋田空港に向かう途中でようやくすっきりと晴れ上がった青空が戻ってきた。3日間あいにくの空模様が続き、旅の最後にようやく秋田の夏空を先生に体験していただいたわけだが、「今まで秋田といえば、冬のイメージでしたが、夏にも美味しいものがたくさんあることを知り、印象が変わりました。四季を通じて食べ物や見どころがあるのだとわかりました。」と先生は話してくれた。豊かな自然の恵みがもたらす、秋田が誇る夏の味覚の数々を充分に堪能していただけたはず。
「自分が実際に食べて、美味しい!と感じたものは、それを作った人の想いや情熱も含めて作品に反映したい。」と先生は言う。読んでいるうちに「旨い肴で一杯やりたいなぁ・・・。」と気もそぞろになる漫画『酒のほそ道』の魅力のひとつが分かったような気がした。
3日間にわたって夏の秋田の食文化や風情を巡った『ラズウェル細木の秋田旅行記』はこれでおしまい。今後もNEMARE「特集ページ」では秋田の物産情報をどんどん発信していきます。
そして、再びラズウェル細木先生が秋田を訪れる日を期待して・・・。ラズウェル細木先生、日本文芸社の皆様、本当にありがとうございました!

「美味すぎる秋田の記憶」とともに先生は帰路に着いたのであった・・・。
秋田旅行記3日目のおさらい~ラズウェル細木先生直筆の絵日記~

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■応募方法
応募はメールにて受付致します。件名に「『ラズウェル細木の秋田旅行記』スペシャルプレゼント係」、本文に「男鹿の真鯛色紙を希望」、「秋田の物産総合情報サイト NEMAREへの感想」、「名前、郵便番号、住所、電話番号」をご記入の上、下記のアドレスにメールをお送りください。
E-mail:syokusai@pref.akita.lg.jp
■抽選・発表
「男鹿の真鯛」色紙を抽選で1名様にプレゼントします。厳正な抽選を行い、色紙の発送を持って発表にかえさせていただきます。
※ご応募いただいた個人情報は、適正に管理し、プレゼント企画の抽選及び発送の目的以外に使用することはありません。
■男鹿の真鯛色紙応募締切
平成22年2月1日(月)~平成22年2月28日(日)